本研究では、10代で出産する女性が産後一年間の育児を通じて母になるプロセスと、育児中に抱える困難および彼女たちが有する強みを明らかにすることを目的とし、10代女性7名へインタビュー調査を実施した。調査の結果、10代で出産した女性たちにとって、出産直後は不安として認識されていた児の変化は、時間の経過とともに、児の成長を実感する契機や育児の喜びとして認識されていた。また、家族が主な育児支援者であった一方、支援の内容は各家庭の状況によって差が生じており、公的資源の拡充と、既存の枠組みにとらわれない支援の必要性が示唆された。
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