本研究では、①入院中の子どもが看護師にどのような思いや感覚を抱いているのか明らかにすること、②その結果を受けて、入院中の子どもが求めている看護師像に基づいた看護師のための実践振り返り表を作成すること、③看護師が実践振り返り表を用いて自己評価することで子どもに対する看護師の態度や行動について、どのような気づきや変化があるのか、について明らかにすることを目的とした。
平成27年度は、目的①に対して、入院中の6-12歳の子どもに半構造化インタビューを行った。 平成28年度は、目的①②に対して、インタビューの分析とその結果を受けて、試作版実践振り返り表の作成を行った。小児病棟の看護師長や小児看護研究者などの協力を得て専門家会議を開き、検討を行い、その結果を基に修正を行った。 平成29年度は、目的③に対して、研究協力の得られた小児病棟で勤務中かつ小児看護経験を3年以上有する看護師5名に半構造化インタビューを2回ずつ行った。一回目のインタビューを行った後、定期的に子どもの求めている看護師像について理解を深めてもらい、実践を続けてもらった。第一回目のインタビューから2週間以上空けて、第二回目のインタビューを行い、看護師自身にどのような気づきや変化が起きたのか調査した。得られたデータに関して分析を行った。実践振り返り表を通して、自身の実践を見つめ直す機会に繋がっていた。日々の多忙な業務の中で、気づけていなかった子どもの気持ちに目を向けるようになることや、何となく経験的に思っていたことを大切だと再認識すること等があった。さらに気づいたことを実践に繋げていく看護師もいた。 本研究の一部は関連学会において発表を行った。さらに関連学会への発表と学術誌への投稿を予定している。
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