研究課題/領域番号 |
26861933
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山口 知香枝 名古屋市立大学, 看護学部, 講師 (70514066)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アレルギー / 地域ケア体制 / パートナーシップ / 家族 / 子ども |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,①アレルギーをもつ子どもの母親にアンケートおよびインタビューを行い,地域ケアシステムの中でどのようなサポートを受けているか,その役割や効果について明らかにする。②アレルギーをもつ子どもと家族に関わる専門職者等にインタビューを行い,支援の内容と多機関多職種との連携協働への認識や期待することと等を明らかにする。③第1 段階,第2 段階で得られた知見を統合し,先に示したアレルギーをもつ子どもと家族を支える地域ケア体制のモデルに照らして現状を明らかにし,その課題を考察する。以上3点とした。H27年度は目的①のインタビューで使用する尺度Childhood Atopic Dermatitis Impact Scaleの日本版開発のための論文投稿を行った。CADISは,Chamlinらによって開発された,アトピー性皮膚炎が患児とその家族のQOLに及ぼす影響を測定する尺度であり,研究者はH21年度からH24年度の科研費若手(B)21792282で,CADISが日本国内で活用可能な形となるよう,日本版開発に取り組んだ。今回,「Development of a Japanese Culturally Modified Version of the Childhood Atopic Dermatitis Impact Scale (JCMV-CADIS)」という論題でAllergology Internationalにアクセプトされた。 今後,本尺度を用いたインタビュー調査を実施する予定である。対象は,アレルギーをもつ子どもの母親である。インタビューの結果を解析し,地域ケアシステムの中でどのようなサポートを受けているか,その役割や効果について明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アトピー性皮膚炎の子どもと家族のインパクトを測定し,影響をアセスメントするための尺度の開発過程を論文として執筆し,ようやくアクセプトされた。今後は,尺度を用いたインタビュー調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,インタビュー調査のために倫理申請を行う予定である。具体的には,アレルギー疾患をもつ子どもと家族が,地域ケアシステムの中でどのようなサポートを受けているか,その役割や効果について,今般開発したアセスメント尺度を用いて分析およびインタビューを併用して伺う。対象者は,小児期のアレルギー疾患をもつ子どもの主たるケア提供者(母親)とする。なお,アレルギーを専門とするクリニックおよびアレルギーの子どもを中心とした育児サークル等,何らかの形で看護職者のサポートを受けている親子を対象とする。疾患は喘息,アトピー性皮膚炎,食物アレルギー等を中心に,偏らないよう選定する。10名程度を予定している。どのようなサポートを受けているか,その役割や効果についての認識を自由に語れるよう,オープンエンドクエスチョンで行う。2-3か月ごとに数か月,縦断的に調査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
International Family Nursing Associationの国際学会(デンマーク)に本研究費で参加予定であったが,別のプロジェクトの共同研究の発表もあったために,そちらの予算で参加した。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は,インタビュー及びアンケートの解析を行っていく。データの処理が円滑に行えるよう,新たな解析ソフトを購入する予定である。
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