まず,インタビューを行う際に使用する質問紙を開発し,信頼性妥当性を確認した。その結果,子どものドメイン12項目,親のドメイン31項目,計43項目に質問項目を精選し,Japanese Culturally Modified Version of the Childhood Atopic Dermatitis Impact Scale (JCMV-CADIS)を開発した。本尺度では,子どもの側面で2因子“子どもの症状”“活動制限とふるまい”,親の側面で5因子“対社会的要因によって起こる思い”“子どもの症状に伴って起こる思い”“家族と社会機能”“ケアの煩雑さ”“日常生活管理の工夫”が抽出された。その後,アトピー性皮膚炎の子どもの家族に起こりうる影響のすべてを知るために,Scoping Reviewを行った。 その上で,アレルギーの子どもを育てる養育者に対して,現在活用しているサポートの果たす役割と効果についてアンケートとインタビューを併用して実施した。現段階で分かっている結果は,未就学の子どもの養育者にとっては,保育園や幼稚園からのサポートの重要性が示唆された。その他,レストランのメニューや様々な食品のアレルギー表示を頼りにしているという結果もあり,社会的な取り組みの重要性が示唆された。 今後は,養育者へのインタビューをさらに集積するとともに,アレルギー疾患の子どもや家族に関わる専門職者等にもインタビューを行い,支援内容や他職種との連携協働の実際を明らかにしていくことが課題である。
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