研究課題
アレルギー疾患の学童が捉えた疾患に伴うストレッサーおよびそのコーピングを明らかにする目的で,10~12歳の学童11名に面接調査を実施した。質的分析の結果,アレルギー疾患に伴うストレッサーは,【薬使用に対するうっとうしさ】【日常生活における我慢】【学校生活における管理の難しさ】【皮膚症状による心身の影響】【喘息発作による入院の影響】【毛のある動物を飼育できないこと】【病気によって他の人と違うこと】【人の目や無理解な態度が気になること】【病気のことで家族に負担をかけること】【病気に関する現在の不安】【病気に関する将来の不安】の11カテゴリーが抽出された。ストレッサーに対するコーピングにおいては,コーピング方略の8分類(嶋田・小野,2005)を基に32〔対処行動〕および13【テーマ】を抽出した。問題焦点型コーピングとして,【問題解決】【症状対処】【抑圧】【合理化】【言い返すこと】【責任回避】【状態を隠すこと】および【症状回避】の8つのコーピングが抽出された。また,情動焦点型コーピングとして,【肯定的思考】【家族サポート希求】【ピアサポート】【思考回避】および【気分転換】の5つのコーピングが抽出された。次に,本調査結果に基づく,アレルギー疾患の学童のストレス・マネジメントを支援するリーフレットを開発した。リーフレットの内容は,(a)子どものストレスに関する情報,(b)アレルギー疾患とストレスの関係に関する情報,(c)アレルギーの子どものストレッサーの情報,(d)ストレスの対処法(コーピング)の情報,(e)リラクセーション(腹式呼吸),(f)専門家からのアドバイス,(g)自身のストレス・マネジメントの記入・評価,および(h)本リーフレットのまとめ,により構成した。
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