妊婦は女性ホルモンの増加や妊娠初期のつわりに伴う嘔吐により,う蝕や歯肉炎を発症しやすいと言われている。妊婦が歯周疾患に罹患している場合,健康な妊婦よりも早産,低出生体重児のリスクが7倍以上高いと報告されている。そこで2014年8月~2015年9月までに同意が得られた妊婦174名を対象に,妊娠初期(平均妊娠10週)の口腔内状態を調査した。 妊婦の平均年齢は31.8±4.4(SD)歳,初産婦104名,経産婦70名であった。妊娠初期に「嘔吐有」97名,「嘔吐無」77名であった。174名全員が歯肉炎と診断された。つわり症状の有無に関わらず,妊娠初期からの口腔ケア介入が重要であることが明らかとなった。
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