研究課題/領域番号 |
26861947
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
林原 健治 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 助教 (70596238)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 小児看護学 / 周手術期 / 麻酔 |
研究実績の概要 |
当該年度は、前年度に実施した臨床研修に関する報告書を作成した。臨床研修では、周手術期の子どもとその家族に関わる病棟看護師および手術室看護師の実践をフィールドワークを通して、本研究課題の基盤となる看護実践の特徴を質的に明らかにした。また、その研修成果についてはフィールドワークを実施した臨床現場に還元した。研修成果は以下の通りであった。 看護師は術前の経口摂取制限や前投薬を受ける子どもやその家族とコミュニケーションを図り、子どもの苦痛を可能な限り軽減しながらも確実に前投薬を行うために、また、前投薬後に予測される危険を回避し子どもの安全を確保するため、家族とともに子どもに関わっていた。そして、看護師は手術を目前に控え不安が高まっている子どもを励まし、子どもの気分転換を図り、家族が少しでも安心して子どもに関われるように家族を支えることにより、子どもの心理的苦痛を可能な限り軽減できるように関わっていた。さらに、手術室という非日常的な環境において手術に向けて速やかな準備が必要とされる中、看護師は不安や緊張が高まる子どもと家族の心理的支援を重視して関わっていた。また、麻酔の導入と覚醒においてはまず何よりも子どもの安全を最優先し、常に安全を確保するために関わっていた。 術後、看護師は子どもの頑張りを称え子どもの自尊感情を大切にして関わっていた。また、子どもと家族が互いに安心して関われるように速やかに環境を整えるとともに、術後の回復過程における子どもの苦痛を最小限にすることにより、子どもが出来るだけ安楽に過ごせるように関わっていた。そして、看護師は術後の子どもの状態について異常の早期発見のための体制を整えながら、子どもの順調な回復過程を支え、元の日常生活への適応を促進していた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究計画は今年度を最終年度とするも、具体的な研究成果に至っていない。研究者自身の準備不足により、研究活動を推進するために必要な心理社会的サポートを周囲の人的資源から十分に得ることができなかったことが大きな要因と考える。今後は出来る限り研究計画を再修正し、研究課題の達成に向けて取り組む。
|
今後の研究の推進方策 |
フィールドワークを実施した医療施設を中心に研究の実施について依頼し、了承を得られた施設においてインタビュー調査を実施する。調査結果については質的に分析する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度については前年度より引き続き研究活動が滞っており、研究活動における必要経費は当初の計画に比較して少額に収まった。
|
次年度使用額の使用計画 |
前年度の繰り越しを当該年度の研究活動において活用する。謝金等が支出の中心になる予定である。
|