研究課題
これまで、研究者らによって、統合失調症をはじめとする精神病性障害の患者に対し、看護師による心理・社会的なプログラムの開発 を目的に研究を実施し、その結果、プログラム実施について、その安全性と実施可能性が確認できた。また、対象者の満足度も大きかった。本研究の目的は、その心理・社会的なプログラムをより普及されるよう初回入院の患者に対象を特化し、現場の看護師が実施できるような心理・社会的介入プログラムを開発することであった。研究実績としては、この実施してきたプログラムを、看護師が現場で実践できるよう修正することに費やした 。その理由としては、最近の研究において、千葉大の小松先生らの研究により、訪問看護においての早期介入の効果が 実証されたことや再発予防だけでなく、認知行動療法、就労支援までを組み込んだ介入の効果が実証されたことで(米国精神医学会が Psychiatric Se rvices in Advance誌にて発表:2015など)これまで実施してきたプログラムのみでは、効果が現れにくい可能性が考えられたためである。そこで、まず、プログラムに組み込める就労支援について、統合失調症を有する人の就労継続を困難にする要因について研究を実施した。それと同時に、研究受け入れ先の病棟看護師とのディスカッションを続けた。病棟移転や担当者の移動などもあり、結果として病棟での看護師によるプログラムの実施には至らなかった。それ以外の理由を把握するため、精神科看護師が心理社会的なプログラムの実施に向けてのどのように考えているのか現状調査を行った。そこで、看護師が心理社会的支援に関心を持ち、必要性を感じているが、業務の多忙さや心理社会的支援についての知識不足を感じていることにより、実施可能性を低下させていることが明らかとなった。
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Global Journal of Health Science
巻: Vol. 10, No. 2 ページ: 60-69
doi:10.5539/gjhs.v10n2p60