本研究の当初の目的は、精神病性障害のために生涯初めて入院した患者を対象とした心理・社会的支援プログラムを開発し、病棟看護師におけるプログラムの実施可能性と効果を検証することであった。結果として、既存のプログラムを初回入院患者に特化したものに修正することはできたものの、そのプログラムを実施することはできなかった。その原因を探るために、精神科で働く看護師に「看護師が実施する心理・社会的介入に関する意識」について自作のアンケート調査を実施し18名から回答を得た。その結果、本プログラムを現場の看護師が施行するには、回数や時間を縮小し、かつ、必要な教育の機会を得て自信をつけることが必要であると分かった。
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