研究課題/領域番号 |
26861949
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
永田 美奈加 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10461716)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高齢者 / 権利擁護 / 看護職 / レジリエンス / 介護サービス事業所 |
研究実績の概要 |
27年度は、1.事前調査(対象529施設の看護職)結果から、介護サービス事業所の看護職の職場環境やストレス、仕事継続意思の状況を明らかにし、高齢者の権利擁護に向けた示唆を得ること、2.看護職のレジリエンスの実態と関連要因を明らかにするため質問紙調査を行うことを目的とした。 1.高齢者の権利擁護には、職場環境や職業倫理、ストレス状況等が重要な要因と考えられ、実態把握のため、職場環境およびストレスの状況、仕事継続意思について分析した。①職場環境とストレスについて:調査内容は職場環境(人間関係、情報交換の状況他)、心の健康状態、職業性ストレス簡易調査票・日本語版努力-報酬不均衡モデル職業性ストレス調査票等であった。分析対象284の努力報酬得点平均値は0.73(SD=0.33)、ハイリスクのストレスとされる者の割合は18.3%であり、日本人全対象や一般管理職よりもストレスフルな状況下で勤務していることが分かった。職員間の関係や雇用形態、心の健康状態等がストレスに関連しており、ストレスの要因と対処についての分析、職場環境整備の必要性が示唆された。②仕事継続意向について:調査内容は仕事継続意思、主観的健康感、職場の人間関係、施設管理・ケアマニュアルの認知状況、研修受講状況また継続意思がないと回答した理由であった。分析対象290の約3割が仕事継続意思がなく、理由は勤務体制の不満、施設看護の難しさ、施設の方針への不満等であった。継続意思がない者は、心身の健康状態がよくない、他職種等スタッフとの関係がよくない、施設管理・ケアマニュアルを知らない、認知症研修受講経験がないと回答した者が多かった。職員の健康、良好な人間関係、認知症を含めたケアの理解促進、労働環境と教育体制の整備の重要性が示唆された。 2.質問紙調査票の内容および対象について検討を行った。調査は28年度に実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1.事前調査の分析を行い、その一部を学会で報告した。 2.1.の分析に時間を要したこと、分析結果をもとに予定していた質問項目および対象について見直しを行い、時間を要したため、調査票の完成、調査実施までに至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1.看護職のレジリエンスの実態と関連要因について明らかにするために質問紙調査を行う。結果の分析から高齢者の権利擁護に向けた今後の取り組みについて示唆を得る。
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