研究課題/領域番号 |
26861950
|
研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
堀江 竜弥 仙台大学, 体育学部, 講師(移行) (70533917)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 脳卒中 / 排尿 / リハビリテーション / 排尿誘導 |
研究実績の概要 |
平成28年度は研究の核となるリハビリテーションプログラムの精錬を行うとともに、調査介入可能な施設の模索を継続して実施した。 リハビリテーションプログラムについては、特に排尿に関するプログラムを中心に検討をしているが、脳卒中対応のプログラムがないため、虚弱高齢者に対する機能性尿失禁リハビリテーション(下肢筋力向上、排尿パターンを把握した誘導)を基盤に検討しているところである。脳卒中維持期の排尿機能に関しては、頻尿を主訴とする症状、切迫性尿失禁など、下部尿路尿路症状(LUTS)が多岐にわたる可能性があるために多くの参考資料を基に検討し、介入可能な症状、介入時期や期間をさらに検討する必要があると考えた。その結果、パターン把握に基づく介入およびリハビリテーションとしての活動内に座位・臥位による骨盤底筋体操を組み入れた8週間のプログラムを構築し、実現可能性があるのか評価している段階にある。 併せて、介入可能な施設について通所リハビリテーション施設を中心に依頼しているところであるが、対象となる可能性がある罹患者がいない、あるいは排尿誘導が難しいとする施設が多いことが明らかとなった。その理由として排尿に関する取り組みに消極的な施設が多いこと、また、誘導を実施するにあたり有益な排尿パターンの把握が困難なこと、排尿誘導を実施するにあたり十分なスタッフが確保できないことが挙げられた。よって、維持期につながるような取り組みができるよう、場合によっては脳卒中の回復期病棟に対する介入を検討する必要性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
排尿リハビリテーションをプログラムは骨盤底筋体操や排尿習慣化訓練など、ある程度の方策はあるものの、脳卒中維持期におけるプログラムが存在しておらず、プログラムの構築に文献検討を十分にする必要性があったため、遅延が生じた。また、介入可能な施設を検索し交渉するにあたり、昨年度より取り組んでいるが積極的に受け入れを示す施設がないことが挙げられる。これは、研究者の異動に伴い、新たな研究過程を構築するにあたっての遅延も生じていたこと。併せて、信頼性・妥当性を確保するための手順を確認する手段の構築に時間を要したことが考えられる。プログラム構築と介入するための準備を早期に進め、遅延状況を改善していく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は排尿リハビリテーションに対するプログラムの更なる精錬を行うとともに、介入可能な施設に対し、前向きに検討してもらえるような取り組みを実施する。併せて、排尿パターンの把握や誘導が施設にとって負担とならないような配慮をするとともに、数例介入を実施し、プログラムの有効性を検討していく予定である。 しかし、受け入れが難しいと判断される場合には、対象施設を介護保険施設ではなく、脳卒中リハビリテーションを実施している回復期病棟にまで視野を広げて検討する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本調査に至る準備が不足しており、排尿機能に関する評価、および排尿パターンを把握しうる機材のレンタルまたは購入ができていない状況にある。併せて、調査協力にかかる経費や発表への準備も不十分であり、使用に至らなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
介入を実施していく予定であるので、前年度に予定した物品の購入や排尿機能評価に必要な機材のレンタル等を含め、計画を進めていく予定である。
|