本研究では、認知症高齢者の家族介護者の介護の肯定的認識を含めた介護認識を縦断的に調査し、経時的な変化を検討した。認知症高齢者の家族介護者41名を対象に、調査項目として対象者の概要、介護の肯定的認識、介護負担感、認知障害度、周辺症状をベースライン、6ヵ月後、12ヵ月後の3時点での調査を行なった。 対象者の介護認識では、介護負担感、肯定的認識で3時点での統計的な有意差は認められなかったが、介護認識では各測定時期で相互に関連していることが確認された。この結果より、専門職は持続する介護者の介護負担感に対して、肯定的認識を含めた介護認識へのアプローチを介護時期に応じて行う必要性が示唆された。
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