本研究は、一般病院急性期病棟での高齢患者に対する身体抑制ゼロに向けた看護をモデル化することを目的とする。身体抑制を最小限にする看護を行っている一病棟の看護師とセラピストのケアを参加観察し、2事例について多職種でのフォーカス・グループインタビューによる事例検討を行った。その結果、一般病院急性期病棟での「高齢患者に対する身体抑制ゼロ」に向けた看護のモデルとして、①医療ケアチームで身体抑制ゼロを掲げ、患者のために協働すること、②患者を信頼し、身体抑制の一時解除を行いながら見守るケアを実施すること、③皮膚に触れるケアをとおして多職種で患者の苦痛緩和を図ることの3点が骨格になることが導き出された。
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