研究課題/領域番号 |
26861958
|
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
大崎 瑞恵 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (70525948)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 退院支援 / 専門職連携実践 / 回復期リハビリテーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、回復期リハビリテーション病棟の退院支援における専門職連携実践を客観的かつ包括的に測定する尺度を開発することである。平成27年度は評価尺度に含むべき項目を検討するため、これまでの文献検討を補完するための国外のリハビリテーションに関する文献検討を行うとともに、回復期リハビリテーション病棟の視察および病棟スタッフへの面接調査、回復期リハビリテーション病棟から退院し在宅療養を行っている療養者の現在の生活や退院支援に関する聞き取りを行った。その結果、国外のリハビリテーションに関する先行研究のアウトカムは近年、心理社会的機能に焦点があてられ、重要なアウトカムになりつつあることが確認された。また、病棟の視察および看護師5名、介護福祉士1名、理学療法士1名、作業療法士1名、言語聴覚士1名、医療相談員(社会福祉士)1名を対象にした面接調査では、専門職は連携に必要なものはコミュニケーションであると認識しており、具体的な行動としては日常的なコミュニケーションと定期的なカンファレンスがあった。一方、支援の評価は一部のスタッフによる限られた項目のみで行われており、入院中及び退院後の患者の状況から支援の評価を多職種で行う機会が少ないことが、連携不足の認識につながっている可能性があると考えられた。また、連携が不足しているとの認識には差があり、その背景には人員配置を含む環境やカンファレンスの体制、個人の認識など様々な要因が考えられた。回復期リハビリテーションから退院した療養者は、入院中に在宅療養へ向けた準備よりも、退院後の生活での調整により生活の再構築を行っており、支援の評価がなされていないことは退院支援のサービスの質向上においても課題となっていると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は尺度の項目の検討および決定であったが、まずは前年度の文献検討の結果から課題として残された、現在の退院支援の連携・協働の要素やあり方を明確化する必要があった。そのためには研究者が回復期リハビリテーション病棟に一定期間スタッフの一員として加わっての視察が必要であり、そのための時間を要したため、項目の決定までには至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は評価尺度の項目の決定と精錬を行う。先行研究および専門職への面接調査の結果から項目を決定する。その後、回復期リハビリテーションに勤務する専門職への予備調査の実施および対象となった専門職や看護学研究者らから助言を受け、項目の妥当性や表現の精錬を行い、尺度項目を修正する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究補助者を使用しなかったため人件費が不要となり、繰越金が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成27年度繰越金とあわせて、尺度項目の決定のための予備調査に必要な費用や、調査結果を公表するための投稿費や学会参加費、旅費等として使用する。
|