本研究の目的は回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期リハ病棟)におけるInterprofessional Workによる退院支援の質評価指標案を開発することである。 文献検討、回復期リハ病棟入院料1の施設基準に該当する病棟に勤務する専門職への面接調査、回復期リハ病棟から退院した患者・家族への聞き取り調査から指標項目の候補を抽出し、類似性により収束させ、地域看護学の研究者2名と内容や表現について検討し、構造指標33項目、過程指標63項目、成果指標30項目の指標案の原案を作成した。その後、原案の安定性の確認と内容妥当性の検討のため、回復期リハ病棟に勤務する専門職を対象に質問紙調査を行った。安定性の確認は原案の指標項目毎に、適切性、重要性、実施可能性について7段階で回答を求め、1か月後に同じ調査を行った。分析はWilcoxonの符号付順位和検定で有意差を確認した。内容妥当性については各指標項目に対して意見を求め、その内容を検討した。原案による質問紙調査では、医師・言語聴覚士・介護福祉士・社会福祉士が各1名、理学療法士・作業療法士・看護師が各2名の合計10名から協力が得られた。分析の結果、構造指標の1項目が実施可能性で、過程指標の5項目が適切性で、3項目が実施可能性で、有意差を認めた。有意差のあった項目や各項目への意見を検討し、地域看護学の研究者2名と項目の精錬を行った結果、構造指標27項目、過程指標62項目、成果指標29項目の合計118項目からなる指標案となった。
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