研究課題/領域番号 |
26861999
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
西村 和美 福岡大学, 医学部, 助教 (20535033)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 中高年女性 / 生活習慣 / 尿失禁予防 / 肥満 |
研究実績の概要 |
平成26年度は尿失禁の危険因子や関連要因などの文献検討と基礎調査の分析を行った。 先行研究の文献検討から共通して、尿失禁の悪化要因では便秘・肥満・出産・喫煙・加齢が挙げられた。その他、骨盤内手術歴、子宮脱などがあった。基礎調査の結果では、尿失禁と生活習慣の10項目(①生活の規則性、②睡眠時間、③朝食の摂取、④食事の規則性、⑤食事内容、⑥塩分摂取、⑦間食の有無、⑧飲酒、⑨喫煙、⑩運動習慣)及び生活習慣病(高血圧、心疾患、糖尿病、肥満)・既往歴との関連について分析した。尿失禁と生活習慣及び生活習慣病・既往歴との関連において14項目で有意差がみられた。この結果を現在論文投稿に向けて準備中で、学会誌などで広く発信する予定である。これらの分析結果より基礎調査にて十分な結果が得られたと考える。一部設問を具体化にする必要があった箇所があるが、今後の調査などで補足していく必要がある。また、これまでの調査結果により、対象者のセルフケア能力に関しても注目して介入していく必要がある。平成26年度に公衆衛生看護学の学識者に今後の研究の進行等を相談し、アセスメントツールを介入研究前後で評価してはどうかとの助言をいただき、介入研究前後にアセスメントツールにて評価を行うことを追加する。 そこで、平成27年度はプログラムの評価項目を検討し、中高年女性の基礎調査をもとに生活習慣とセルフケア能力に関するアセスメントツールを作成する。また、「尿失禁予防・改善のための内臓脂肪型肥満改善プログラム」を作成し、平成28年度の介入研究の実施に向けて準備を行う。実施場所や対象者の検討、プログラム内容を専門家に相談し、検討・調整していく。中高年女性が取り組みやすく、生活習慣改善につながるプログラムの開発を行う計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度は先行研究の文献検討後、基礎調査の分析に時間を要しアセスメントツールの作成には至らなかった。しかし、公衆衛生看護学の学識者に今後の進行について助言をいただき、基礎調査で十分な結果が得られたため、現在論文投稿に向けて準備中である。学会誌などで他分野の医療職・介護職にも発信できるように取り組んでいる。 達成度としてはやや遅れているが、プログラム開発にむけて平成27年度・28年度に計画的に取り組んでいける内容であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は基礎調査の分析結果から得られた示唆をまとめ、生活習慣とセルフケア能力に関するアセスメントツールを作成し、尿失禁予防のための内臓脂肪型肥満改善プログラムを開発する計画である。スーパーバイザーや公衆衛生看護学の学識者や保健師による指導を受け、中高年女性が取り組みやすく、継続できる内臓脂肪型肥満改善プログラムを開発し、社会に広く発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は基礎調査の分析を中心に実施したためパソコンの購入は行ったが、予定していた研修会には参加できなかったため、平成27年度はプログラム開発に向けて計画的に研修会に参加するよう計画する。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度はプログラム開発に向けた研修会に計画的に参加する。また、プログラムの内容を検討・調整するため、スーパーバイザーによる指導を受ける。プログラム内容決定後は、講師との調整を行っていく。得られた調査結果を学会発表する。
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