本研究の目的は、地域包括支援センターに所属する保健師(看護職)の専門的職業能力強化のための教育プログラムを開発することである。第1段階として、地域包括支援センターに所属する保健師(看護職)に求められるスキル項目をインタビューと文献から必要なスキル項目を抽出した。その後、第2段階として、第1段階で抽出したスキル項目をもとに、地域包括支援センターに所属する保健師(看護職)の専門的職業能力の強化のための教育プログラムを開発する予定であった。しかし、専門的スキルの抽出(認知症・精神・栄養面の指導スキル)が明らかになったと同時に、教育体制が整っていないことが明らかになった。そのため、教育プログラムの実施前に、「本研究の対象地域であるA県内の地域包括支援センターの教育体制の実態を明らかにする必要がある」と専門家から指導を受け、教育プログラムの基礎資料として地域包括支援センターの教育体制の実態を調査した。 本研究の専門的職業能力強化のための教育プログラムが活かされれば、新任期の保健師(看護職)が早期に積極的な活動を実施することができると考えらえる。また、習得すべきスキルを明確化することから、保健師(看護職)が一定の地域にいることで、「住民へ一定水準のサービス提供」と住民を巻き込んだ「効果的な連携・協働」を可能とする結果が期待できる。保健師(看護職)の教育プログラムをきっかけに、多職種連携の教育プログラムの見直しも可能となり、地域包括支援センター全体の質向上・住民へのサービス向上が期待できが大変意義がある研究といえる。
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