早期診断が困難で予後不良な疾患である膵癌患者の血清を使用して、leucine-rich alpha-2-glycoprotein (以下LRG)が診断マーカーをなり得るかを検討した。膵癌患者68例、健常者10例の血清を使用し、ELISAによりLRGの発現量を検討した結果、健常者と比較して膵癌患者において有意にLRG値が高値であった。ステージ0-Ⅱの症例でも健常者より高値を呈していた。さらにCA19-9が陰性の膵癌患者25症例中22例でLRGが高値を示しており、膵癌診断マーカーとしての可能性が示唆された。今後、LRGを血清から単離して、LRGに結合している糖鎖解析を行う予定である。
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