研究課題/領域番号 |
26870013
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
滝口 良 北海道大学, 文学研究科, 共同研究員 (50706760)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | コミュニティ / 都市空間 / 参加型開発 / 公共空間 |
研究実績の概要 |
ウランバートル市北部のゲル地区において3ヶ所合計300人の住民から街路関係と近隣関係に関するアンケート調査を実施した。1900年代から続く地区と2000年代に移民の流入により形成された地区を対象とし、近隣関係及び都市開発に関わる認識・実践のアンケート結果の分析を地図上にまとめる作業を行なった。 本調査の成果の一部は、1.(研究論文)滝口良・坂本剛・井澗裕「モンゴル・ウランバートルのゲル地区における住まいの変容と継承」(住総研研究論文集No.43、印刷中)、2.(研究発表)研究会議「モンゴルの都市居住における住まいと近隣の空間構造」(東北大学アジア研究センター)を組織、研究会議の取りまとめを行うとともに、自身も「ウランバートルにおける都市居住管理の変遷」を発表。また研究成果の現地へのアウトリーチ活動として3.(研究発表)「ゲル地区:発展か、建設か?」(名古屋大学サイエンス&カルチャートーク in モンゴリア(名古屋大学アジアサテライトキャンパス(モンゴル))、4.(一般書)『ゲル地区の発展とコミュニティ』をそれぞれモンゴル語で発表した。 また、モンゴルにおいて現地調査を共同で実施しているNGO組織Ger Community Mapping Centerによるイベント「Tale of Two Cities: Outdoor Exhibition in the Ger Area of Ulaanbaatar」において研究成果の一部をパネルにて公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.本研究が実施した300戸の調査は住民の居住歴と近隣関係及び都市開発に関わる認識と実践に与える影響を検討する上で有益なデータとなった。ゲル地区における複数の地域の比較対照分析により、ゲル地区の社会関係と公共性を規定する要因が明らかになる見込み。 2.昨年度より組織したゲル地区を研究する複数分野の専門家からなる研究会による公開型研究会議「モンゴルの都市居住における住まいと近隣の空間構造」を東北大学東北アジア研究センターにて実施した。 3.これまでの研究調査の一部を学術論文・学会発表により公開するとともに、研究成果を広く一般市民に紹介する書籍を現地語で出版するなど、ゲル地区開発に関するウランバートル市民の関心を高めるアウトリーチ活動にも取り組んだ。
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今後の研究の推進方策 |
1.最終年度となる今年度は研究成果の取りまとめに加え、ゲル地区において地図を用いた地域づくりの協働観測を地域住民と組織する。 2.ゲル地区を主題とした書籍を共同執筆・出版する予定。
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