非産卵期にも卵巣が発達し卵母細胞形成が行われるマガキの卵巣肥大症は、卵母細胞内で胞子形成を行う原生動物寄生虫Marteilioides chungmuensisが宿主生殖サイクルを支配することにより発症すると推測される。本研究では寄生虫が宿主生殖サイクルを支配する因子を同定することはできなかったが、発現遺伝子解析結果より、感染したマガキでは通常の生殖サイクルが何らかの要因で途中から変化し、発症へつながることが強く示唆された。また得られた遺伝子解析結果は、二枚貝の性成熟機構を理解する上でも有用であると考えられた。
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