ストレス関連神経ペプチドである副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)が内臓刺激時の陰性情動関連局所脳に影響を及ぼし、過敏性腸症候群患者(IBS)は健常者と反応性の差異があることを見出した。更に、視床下部―下垂体―副腎皮質軸とカテコラミン系の分泌ネットワーク、自律神経活動との関連が患者と健常者で異なっていた。またマウスを用いた研究で、ヒトで変化を認めた扁桃体の神経シナプス反応が内臓刺激の強度変化により異なっていた。以上より、IBS患者において、ストレスの鍵物質であるCRH存在下で、大腸知覚―自律神経―脳扁桃体ネットワークの変成が示唆された。
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