本研究では間葉系幹細胞の有する抗炎症効果、免疫調整効果に着目をして肺移植術後急性期死亡の主因である急性移植肺機能不全の予防効果をマウス肺移植モデルを用いて検討をした。移植6時間後に移植肺より回収した気管支肺胞洗浄液中のタンパク濃度はコントロール群に比して低値を示し炎症性サイトカインも低値を示す傾向であった。病理組織学的検討でも間葉系幹細胞投与群では肺障害は軽度であることが示唆された。間葉系幹細胞は再生医療以外にも抗炎症効果、免疫調整効果に着目をした臨床応用が行われ始めているが、肺移植においても応用が可能であることが示唆された。
|