本研究課題では,水溶性チタン錯体の水熱処理による酸化チタン多形の形態制御および制御技術の確立を目指した.様々な化合物を制御剤として用いた結晶成長制御においては,ルチル型酸化チタンのc軸異方成長に対して,制御剤の官能基が与える影響を明らかにした。一方で,温和な条件において,高次数面など表面エネルギーが高い結晶面を露出したルチル型酸化チタン結晶が合成可能であることを見出した。加えて,合成が困難なブルッカイト型酸化チタンにおいても,高次数面露出結晶の合成や微粒子化を達成した。これらの成果により,本研究課題により,結晶の形態制御に対して,新たな知見を生み出すことに成功したといえる.
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