本研究は、モンゴル国における人の移動にともなうグローバルな宗教活動とそれによって結ばれる新たな共同体の機構と特質を、モンゴル国・韓国・英国・米国における参与観察調査を中心とした調査資料の分析を通して明らかにしようとした。その結果、国外において活性化した人々の民族意識が、しばしばキリスト教や仏教と結びついて独特の連帯意識として醸成され、それが儀礼や礼拝、宣教活動などを通じて、具現化されていることが分かった。また、そのようにして形成された宗教的共同体は、宗教活動以外の日常生活においても、相互扶助や慈善活動を通して重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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