研究課題/領域番号 |
26870059
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山本 洋平 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70400512)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | exosome |
研究実績の概要 |
申請者は、胆嚢癌産生exosome中のmiRNAが、血管内皮細胞に直接作用して、angiogenesisを抑制するかどうかを明らかにするために、以下の実験を行った。 申請者の確立した方法を用いて単離した、胆嚢癌細胞の培養上清由来のexosomeを、血管新生に焦点を合わせた基礎研究に幅広く使用されているHUVEC(ヒト臍帯静脈血管内皮細胞)培養系に添加し、血管内皮細胞の増殖能とtube formationに変化があるか検討した。 はじめに、蛍光色素PKH67で標識したexosomeをHUVECの培地に添加して、HUVEC胞体内にexosomeが取り込まれることを確認した。次に、cell counting kit 8を用いて細胞増殖能を経時的に定量し、exosomeを添加した培養HUVEC群と非添加の培養HUVEC群を比較したところ、2群間に有意な差はなかった。最後に、exosomeをHUVECと混和し、Matrigel上に播種したところ、混和群では非混和群と比較してtube formationが減少していた。Tube formationの定量は、経時的に撮影された培養HUVECの写真を血管新生解析ソフトを用いて解析し、tubeの長さ等を数値化した。 以上の結果より、胆嚢癌産生exosomeは、血管内皮細胞に取り込まれて、tube formationを阻害することによりangiogenesisを抑制する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画どおり実験を行い、予想通りの結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、in vitro実験で見られた胆嚢癌産生exosomeのangiogenesis抑制効果を、マウスを用いたin vivo実験でも検証する計画である。またangiogenesis抑制因子が、exosomeに含まれるmiRNA群、特に既に血管新生抑制作用が証明されているmiR-320、miR-494、miR-638である可能性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた海外学会発表を、次年度に行うよう計画を変更した。また、マウス皮下移植実験を用いた胆嚢癌産生exosome添加によるangiogenesis抑制効果の測定を次年度に行うよう計画を変更した。以上の理由により、残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
前述の通り、マウス皮下移植実験を用いた胆嚢癌産生exosome添加によるangiogenesis抑制効果の測定に用いる消耗品を次年度に購入し、使用する計画である。
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