研究課題
申請者は、胆嚢癌産生exosome中に血管新生抑制性のmicroRNA(miR-125b、miR-320、miR-494、miR-638など)が多く含まれること、単離した胆嚢癌由来のexosomeをヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)培養液中に添加すると、HUVECに取り込まれ、Matrigel上におけるHUVEC tube formation(内皮細胞による血管ネットワークの構築)を抑制することを明らかにしてきた。そこで、このtube formation抑制効果を発揮しているのが、胆嚢癌由来のexosomal miRNAであるかどうかを検討するために、成熟miRNAと同様の標的遺伝子調節効果を発揮するmiRNA mimicをHUVECに導入する実験を行った。miR-125b、miR-320、miR-494、miR-638のmimicを、それぞれHUVECに導入して24時間後に観察したところ、陰性対照群と比較して、mi-494 mimicを導入したHUVEC群においてtube formationの減少が認められた。これらの結果は、胆嚢癌細胞中で発現した血管新生抑制作用を持つmiR-494が、胆嚢癌由来のexosomeを介してHUVECに取り込まれ、tube formationを抑制したことを示唆する。胆嚢癌由来のexosomeは、血管新生を抑制することにより、癌周囲の微小環境を低酸素状態に向かわせている可能性がある。
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Akita J. Med.
巻: 42 ページ: 87-94