本研究では、字幕制作者や映画製作者からの要望が高い、字幕内容に関する聴覚障害者からの意見のフィードバック方法の課題に取り組んだ。聴覚障害者への聞き取り実験と盲ろう者への調査の結果、映画鑑賞時やテレビ放送などの情報番組視聴時、字幕検討会などの幅広い場面で、字幕の見直し機能の有用性を確認した。さらに、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いたクローズド型字幕提示システムの生体影響評価実験より、眼精疲労やめまいなどの観点からも適切な字幕量調整の必要性が示唆された。そこで本研究では、HMDに搭載可能な自発性瞬目を用いた認知負担度のモニタリング手法を検討し、字幕のユーザーフィードバック手法を提案した。
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