研究課題
ミトコンドリアは細胞の生存に必須な細胞内小器官であり、特に細胞内に取り込まれた鉄が正しくミトコンドリアに運ばれ、鉄ー硫黄クラスタやヘム合成が行われることが重要である。細胞に取り込まれた鉄のミトコンドリアまでの動態の詳細についてはこれまでに明らかにされていないが、さまざまな疾患発症の原因となるミトコンドリア機能異常において鉄の動態異常が何らかの関わりがあると考えられている。本計画ではミトコンドリアを中心とした細胞内鉄動態の分子メカニズムを明らかにすることで、細胞内環境にとっての鉄代謝・動態の生理的意義を明らかにすることを目標とし、最終年度であるH27はH26の研究成果を元に下記の研究を遂行した。・当該年度(H27)の研究概要と実績H26に見出したオートファジー欠損マウスを用いたミトコンドリア鉄保持異常と、それに続く機能異常についてさらなる解析を行い、ミトコンドリアにおける鉄異常(減少)については、細胞全体の鉄量が変わらないことから、ミトコンドリアから細胞質への鉄分布移動(異常分布)が認められることを明らかとした。この異常な鉄分布、特に細胞質へと何らかのメカニズムで漏出した鉄が、細胞内酸化ストレスを増悪させる因子となる可能性を見出した。
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
J. Mol. Cell. Cardiol.
巻: 82 ページ: 1-12
10.1016/j.yjmcc.2015.02.018
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