研究課題/領域番号 |
26870091
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
徳江 浩之 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (40612396)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | オートプシー・イメージング / 個人認識 / CT |
研究実績の概要 |
平成28年度は、50例の系統解剖対象の撮影、200例の法医学解剖体症のご遺体の撮影をおこない、すべての撮影に対して読影レポートを作成した。平成28年度は生前の画像を取得できた件数は7件であった。26年度、27年度を合わせて16+7+7=30件、必要な画像を取得できた。当初、平成26,27,28年で30例ほどの症例を目指していたので、おおむね症例の蓄積は順調である。 個人識別に有用と思われた検討項目については①性別②血管所見(冠状動脈石灰化、全身の動脈石灰化、血管解剖の破格)③骨軟部所見(骨棘の有無、骨端線の有無)④医療材料(過去の手術痕など)⑤実質臓器所見⑥そのほかの個人識別につながり得る所見を中心に生前・死後の画像について検討した。 この結果、死後変化の影響が加わるため、②血管所見⑤実質臓器所見は必ずしも有用ではない可能性が示唆された。一方、③骨軟部所見については比較的有用性が高いが、骨棘についてはバリエーションが多岐にわたり、年齢が上がるとほぼ全例で骨棘をみとめるため、少数例での比較には有用であるが、大人数を扱うデータベースを構築するには不向きではないかと思われた。一方、骨軟部所見を調べている際に、骨に発生する、いわゆる骨島(bone island)が、個人認識に有用である可能性が示唆された。骨島は、それぞれのご遺体でほぼ全例にみとめるが、発生する部位がそれぞれ異なり、バリエーションが少なく、若年者でも比較的多く発見された。このため骨島の発生部位などを中心に調べることで個人認識につながるデータとして有用ではないかと思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、50例の系統解剖対象の撮影、200例の法医学解剖体症のご遺体の撮影をおこない、すべての撮影に対して読影レポートを作成した。平成28年度は生前の画像を取得できた件数は7件であった。26年度、27年度を合わせて16+7+7=30件、必要な画像を取得できた。当初、平成26,27,28年で30例ほどの症例を目指していたので、おおむね症例の蓄積は順調である。またすべての症例で読影レポートを作成できており問題ない。 また個人認識に有用な検討項目もある程度、絞れてきたためさらなる検討を加える。
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今後の研究の推進方策 |
個人認証に有用と思われた項目について有用性を前向きに検討し、より有用な項目についてさらに個人認識に役立てるか検討する。 前年度同様に系統解剖学教室、法医学教室の協力のもと、系統解剖ならびに法医解剖のご遺体に対して同様の検査を試み、有用性を前向きに検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に関連した論文の掲載料やデータ管理料などに、特別な金額がかからなかったため次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
研究に関連した論文の掲載料やデータ管理料などで使用する可能性を考慮している。
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