【カーボン材料の親水処理用プラズマジェット処理装置の改良】 カーボン材料の親水性と大腸菌のバイオフィルム形成との相関を明らかにするために、大腸菌を培養する際に添加するカーボン材料の親水性をより精密に制御する必要がある。そこで、前年度開発したプラズマジェット処理装置に対し、様々なガス(アルゴン、二酸化炭素、窒素等)を任意の組成であらかじめ混合した状態で流通させ、プラズマジェットを発生させることが可能となるように改良した。プラズマ照射時間および混合ガスの組成を変えることで、異なる親水性を示すカーボン材料を得ることに成功した。 【バイオフィルム形成のスケールアップおよび定量法の検討】 本研究の医薬品等の有用物質生産への応用の観点から、大腸菌のバイオフィルム形成のスケールアップと、スケールアップに対応した定量法について検討した。前年度までは24穴もしくは96穴のマイクロプレート中において大腸菌のバイオフィルムを形成させ、クリスタルバイオレット染色法により定量していたが、任意の内寸(例えば、30 mm x 30 mm)を有するシリコンゴム製の枠を固定した平板状グラッシーカーボン等の表面にバイオフィルムを形成させることでスケールアップを試みた。スケールアップした大腸菌のバイオフィルムの定量法について検討したところ、クリスタルバイオレット染色法では困難であることがわかり、乾燥重量による評価が最も有効であることが明らかになった。
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