本研究課題は、脳神経に対し強い作用があると期待される植物成分ストリクタミンを、如何に効率的に化学合成できるか探求するものである。Strictamineの分子構造は、インドレニンという特徴的な骨格をもち、これは多くの化学反応に対して非常に感受性が高い。そのため、インドレニンを終盤で構築するという戦略を立て、不斉合成ルートの開発を実施した。それに伴い、従来四行程かかる化学分子変換をワンポット二行程で実現する新規反応、MAC-Mitsunobu法によるアルコールから一炭素伸長エステル・アミド・カルボン酸合成法の開発に成功した。本法の適用は、工業的に労力・コストの大幅な削減になると見込まれる。
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