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2016 年度 実施状況報告書

日常への転移を促すアート体験の理解と支援

研究課題

研究課題/領域番号 26870106
研究機関千葉大学

研究代表者

縣 拓充  千葉大学, 教育学部, 特任助教 (90723057)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード創造性 / アート / ワークショップ / 転移
研究実績の概要

本研究の目的は、①アートへの認識や態度のバリエーション、あるいはアートを通じた学びを測定・評価するための方法論を構築すること、②「アート」を通じた学びの効果を「日常への転移」という観点から実証的に捉えること、③アートの体験を日常へとつなげていくことを支援するための理論的・実践的な知見を構築すること、の3点であった。
その中で3年目は、アートの体験を日常に転移させることを主眼に置いた実践研究を行い、その効果を実証的に検証することを予定していた。特に、これまでの知見や成果を踏まえつつ、まずは学習者にダイレクトに介入することが可能な「ワークショップ」という形態のプログラムをデザイン・実施し、 複数の指標から、そのプロセスや効果について調べる。その上で、同様の枠組みで、「作品鑑賞」という形態のアート体験のプロセスと効果を検証することを視野に入れていた。
ワークショップ型の実践研究は、6-7月にかけて行った。これは複数回にわたるワークショップ・プログラムで、その参加を通して創造的な思考を獲得させ、自ら活用できるようにするものとしてデザインしたものである。ワークショップ中の体験内容と効果を検証するために、実践中の発話や活動のログは、可能な限り記録に残した。加えて終了後には、参加中の体験や、その後への影響を問うような調査も合わせて実施した。データの整理には膨大な時間を要するが、4年目に引き続いて分析を行っていく予定である。
また作品鑑賞の効果を検証する目的では、中学校の協力を得て、過去の作品体験の長期的な効果や影響を検証する調査を実施した。こちらも詳細な分析はこれから行っていくが、アート体験を長期的に維持、あるいは他の文脈に転移させる上での可能性と同時に、様々な困難も明らかにされると予想される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実践自体は、予定通り実施することができたと考えられる。しかしながら、1)予定していたよりも多くの発話データ・質問紙データが得られたこと、2)家庭の事情により、さらなる研究時間の確保が難しかったこと、が大きな理由で、データの整理・分析は平成28年度中に完了しなかった。
そのため、補助事業期間を1年延長し、平成29年度も引き続いて分析及び成果発表を行っていくこととした。

今後の研究の推進方策

基本的には、これまでのデータの整理・分析を中心的に行っていく。その際は、今回の実践研究のデータのみを分析の対象とするのではなく、類似の枠組みで行った過去の実践の記録を含めて相互に比較・検証するなどし、アート体験が日常に及ぼす様々な効果、並びに、維持・転移を促す諸要因について探っていくことを予定している。
加えて、それらを踏まえたワークショップ・プログラムを今年度も実施し、より有効な支援の在り方について検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

データの整理・分析が今年度中に完了せず、次年度も引き続いて行うことになったこと、またそれに伴い、一部予定していた成果発表が当該年度中にできなかったことが挙げられる。

次年度使用額の使用計画

データ整理・分析や成果発表に必要となる、謝金や旅費を中心的に使用することを計画している。加えて、消耗品や新たな研究資料を購入することにも使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 美術と教育:心理学の視点から2016

    • 著者名/発表者名
      縣拓充
    • 学会等名
      社会の芸術フォーラム 「第八回フォーラム『美術と教育』」
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2016-11-23
    • 招待講演
  • [学会発表] The long-term impacts of art museum field trips.2016

    • 著者名/発表者名
      Takumitsu Agata
    • 学会等名
      Art learning & creativity: Contemporary issues in formal and informal settings, Tokyo, Japan.
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2016-11-19
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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