研究課題/領域番号 |
26870124
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉村 淳子(小枝淳子) 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30549275)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 金融 / マクロ経済学 / 国際金融 / 非伝統的金融政策 / 政府債務 |
研究実績の概要 |
研究課題(ア):論文[1]に手を加えて、NBER Working Paperとして2014年2月に公表した。その後、論文の質の向上のためにさらに手を加え続け、最新ヴァージョンを一橋大学のworking paper(http://180.222.81.149/FS-2014-E-002.pdf)として2014年秋に公表した。また、2015年1月に最新ヴァージョンをAmerican Economic Association Meetingで発表し、現在査読付きジャーナルに投稿中である。 研究課題(イ):Koeda and Kato(2010)論文がApplied Economicsにアクセプトされた。また、非伝統的金融政策がどのように国債市場に影響を与えているかという問題意識を深めるため、新しいプロジェクト(*)を前倒しに進めている。 研究課題(ウ):Arellano(2008)モデルの推計を進めた結果、モデルに大幅な改良を加えないと、実際のデータをうまく説明できないことがわかった。そこで現在、当初予定していなかったモデル改良に取り組んでいる最中である。改良後に再度推計に取り組む所存なので、まだドラフトは完成していない。
(*)新しいプロジェクトでは、長期国債を購入するというQQEにおける非伝統的金融政策が国債の利回りやリスクプレミアムにどういう影響を与えているかを推計している。具体的には、こういった需給・供給要因が国債の利回りにどれだけ効いているかを、Hamilton and Wu(2012)のモデル(Vayanos and Vila (2009)モデルの離散型)を拡張し日本のデータを用いて推計している。このプロジェクトで新たに複数の論文を書き進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題(ア)については、おおむね順調に進展している。ただし、論文[1]の拡張を行う代わりに、論文[1]自体の質を上げることに専念した。具体的には、論文[1]を2回書き直し、それぞれ別のworking paperとして公表した。またAEA meetingでの報告しコメントをもらうことができた。この結果、当初予定していたよりも質の高い論文に仕上がったと考えている。 研究課題(イ)については、新しいプロジェクト(上述)を前倒しで進めた点で、当初の計画以上に進んでいる。2015年夏までに少なくともワーキングペーパーを2本公開する予定である。 研究課題(ウ)については、上述のように当初の計画通りに進んでいないが、研究課題(イ)が計画以上に進んでいるため、全体的には、おおむね順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
研究課題(ア)については、査読付き雑誌からR&Rステータスを獲得し、必要なリバイズをすすめる。 研究課題(イ)については、新しいプロジェクトに関する二つの論文を書き進めている。その一つ(共著)は2015年6月の日銀の国際カンファレンスで報告する予定で、その一つ(単著)は2015年秋の日本経済学会で報告する予定である。二つとも2015年度中に査読付き雑誌に投稿予定である。 研究課題(ウ)については、Arellano(2009)モデルの改良を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
大学を移籍したため、引っ越しや新しい環境への適応等の関係で、様々な購入計画・人件費に関する出費が遅れた。
|
次年度使用額の使用計画 |
遅れた出費計画に充てる。
|