研究課題/領域番号 |
26870130
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 護 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (50726346)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際情報交換(ボリビア) / アイマラ語口承文学 / アイマラ語オーラルヒストリー |
研究実績の概要 |
2014年度においては、それまでのアイマラ語の口承文学がもつ語りの仕組みについての考察を、論文の形でまとめ、刊行した。また、現地調査を通じてアイマラ語の話の録音をさらに進め、アンデスの宗教に関するイリャ、あるいはヘンティレスに関する調査地域独特の考え方や伝承につき、インタビューと録音を行った。また、これまでに録音した資料の聞き起こしと翻訳を進めており、将来的な公開・公刊に向けた準備作業を進めた。 また、20世紀前半のカシーケス・アポデラードスの運動についてのアイマラ語のオーラルヒストリー資料について、回復された資料の整理とスペイン語への翻訳を進め、公刊に向けた作業を行った。また、1980年代当時にインタビューされたアイマラのお年寄りはほぼ全員が亡くなっているが、唯一人生存している96歳のお年寄りに連絡を取ることに成功し、新たなインタビュー作業を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2014年度については、当初の計画通り二度の現地調査を実施した。 口承文学の研究・調査については、当初予定していたラジオ局の関係者の調査がやや遅れているが(当人たちより調査に関する承諾は既に得られた)、アンデスの宗教に関するアイマラ語の語りをインタビューしつつ録音をすることができ、全体として順調に進展している。また、アイマラ語に関する新たな公刊文献、隣接するアンデス先住民言語であるケチュア語の口承の語りのメカニズムについての文献についての調査・検討が進んだ。 また、回復と刊行に向け作業を進めているアイマラ語のオーラルヒストリー資料については、まず最初のものの刊行に向けた準備が大きく進み、また現在96歳になった当時の語り手と連絡を取ることに成功し、新たなインタビュー調査をアイマラ語で行うことができ、その点で大きな進展をみた。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度には現在整理に当たっている資料の公刊開始を目指すとともに、さらなる考察を進め論文にまとめ、また現地調査を通じたインタビュー・録音の作業をさらに進めたい。
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