看護師が電子カルテシステムに日々入力している看護必要度データと、電子カルテシステムに登録されている年齢・性別などの患者属性情報のみにより、患者がある日に転倒するかどうかを予測するモデル、Find Fall risk of inpatients From Nursing Data(FiND)を構築・評価した。結果、その感度・特異度は国内同規模の医療機関における先行開発研究に比肩する精度を持つことが分かった。研究成果について論文としてまとめ、2016年1月、日本看護科学学会が発行する英語論文誌Japan Journal of Nursing Scienceに原著論文として掲載された。 また、平成25年度に電子カルテシステムに実装していた、入院患者転倒リスク判別機能の実装後評価を試みた。実装前後11ヶ月分ずつの院内での転倒発生件数を、看護必要度データ等の患者情報に関する因子で調整したマルチレベル・ロジスティック回帰分析により比較したところ、実装する前と比べて実装後は、患者の転倒発生オッズ比が0.79倍 (95%信頼区間: 0.69-0.91) (p<0.001)と低下したことが分かった。この研究成果は、2016年6月に開催される看護情報学に関する国際会議である、13th International Congress in Nursing Informatics発表の予定である(採択済み)。
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