本研究では、灌流可能な3次元マクロ組織の作製を目指して研究を行った。まずはマイクロ流体デバイスを用い、細胞からひも状の組織(細胞ファイバ)を構築した。様々な細胞から細胞ファイバを作製し、直径500ミクロンのアルギン酸ハイドロゲルファイバの周りに細胞ファイバを多層に巻き付けることで、高速に階層化組織を構築可能であった。組織構築後、支持体であるアルギン酸ファイバを酵素で分解したところ、内腔を有する管腔組織を構築でき、ペリスタポンプで培養液を灌流可能であった。肝がん細胞と線維芽細胞を階層化した組織構造では肝がん細胞単独から作製した構造体に比べてアルブミン生産能が有意に上昇していることが確認された。
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