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2015 年度 実施状況報告書

計算可能測度論の基礎理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 26870143
研究機関明治大学

研究代表者

宮部 賢志  明治大学, 理工学部, 専任講師 (00583866)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード計算可能解析 / 各層計算可能性 / Schnorrランダムネス
研究実績の概要

本研究は計算可能測度論の基礎理論の構築を目的としている.可測関数を計算可能な階層に分類することによって,様々なランダムの概念が現れる.2014年度の研究によって,ランダムの概念の階層と様々なランダム性との還元性との多くの整合性が得られていた.2015年度にはその研究を推し進め,Schnorr還元性と計算可能ランダムネスの非整合性という結果を得た.弱い還元性に対しては多くのランダムの概念が整合的であったために,これは予想外の結果であった.その証明には,Schnorrランダムネスと計算可能ランダムネスの分離で使われた手法の詳細な分析が必要であり,Schnorr還元性やランダムの概念について深い理解が得られた.本成果は国際専門雑誌に投稿中である.
計算可能可測関数の概念に相当する概念として,各層計算可能性と呼ばれるものがある.測度論のLusinの定理に基づいた定式化であり,アドバイス付き計算や学習可能性とも深い関係がある概念である.この概念とLp空間における計算可能性には深い関係があることが筆者の過去の研究により分かっている.2015年度にはこの研究を更に発展させ,弱い計算可能性における対応関係について一定の成果を得た.また本成果から「DemuthランダムであればGL1」というすでに知られていた結果が系として出てくる.このようなランダムネスの理論における証明を計算可能解析の観点から見ると,一様な計算可能性というより強い結果が出たり,その関数の計算可能性について新たな視点が得られることを発見した.現在,その研究は継続中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調べたトピックに関してはきれいな結果が得られており,今後の方策の手がかりも得られたため.

今後の研究の推進方策

各層計算可能性の亜種と,類似概念の関係について調べる.この部分の理解が深まることは,可測関数の計算可能性の研究において決定的に重要であるが,これまでどのような手法を用いればよいかが明らかではなかった.2015年度の研究により,一定の手がかりがつかめたため,この研究を更にすすめる.

次年度使用額が生じた理由

研究を進める中で,いくつかのきれいな結果が得られたため,国際学術誌投稿の準備を優先した.そのため,計算機シミュレーションのための物品購入などが遅れている.

次年度使用額の使用計画

国際学会,国際研究集会への出張,および計算機シミュレーションのための物品購入として使用する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Using almost-everywhere theorems from analysis to study randomness2016

    • 著者名/発表者名
      Kenshi Miyabe, Andre Nies, Jing Zhang
    • 雑誌名

      Bulletin of Symbolic Logic

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ランダムの概念の多数問題2016

    • 著者名/発表者名
      宮部賢志
    • 学会等名
      日本数学会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2016-03-07 – 2016-03-07
  • [学会発表] 3ランダムネスの複雑性による特徴づけ2015

    • 著者名/発表者名
      宮部賢志
    • 学会等名
      日本数学会
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      2015-09-16 – 2015-09-16

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公開日: 2017-01-06  

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