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2014 年度 実施状況報告書

胚細胞腫瘍及び肺がんと減数分裂特異的コヒーシンの関連についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 26870150
研究機関独立行政法人国立がん研究センター

研究代表者

後藤 悌  独立行政法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (20596374)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードコヒーシン / 肺がん / 胚細胞腫瘍 / バイオマーカー
研究実績の概要

減数分裂特異的コヒーシンの胚細胞腫瘍、肺がんでの役割を解明する事を目的として、それぞれのがん組織での発現、変異、欠失などの分子生物学的特徴を解析している。
平成26年度は、候補患者の抽出、臨床データの解析、ならびに、生物学的特徴を評価するための準備に費やした。コヒーシンの生物学的な役割も解明が進み、がん化の原因の一つとなっているという報告が続いている。本研究ではDNA損傷ににかかわる因子であると仮説を立て、肺がん患者でDNA損傷をターゲットとするプラチナによる治療を行った患者を対象としている。組織検体などで十分に解析できる対象は年間50人程度と推計し、2013年から遡って解析を開始している。
解析方法の主となる免疫組織学的検査についての、実験条件も微調整をしている。強制発現した細胞のウェスタンブロットでタンパクを検出できた抗体が、ホルマリン固定の標本での解析には不向きであることが分かり、その他の抗体を利用して、逐次解析を行っている。
シグナル伝達経路の阻害、免疫調節などによる革新的ながん治療が生まれているものの、これらで完治することはない。殺細胞薬による治療も重要であり、その中心となる白金製剤の効果を予測する因子の解明が待たれる。従来の解析は、細胞周期、増殖シグナルなどが中心となっており、本研究の減数分裂特異的コヒーシンの役割はまだまったく解明されていない。減数分裂特異的コヒーシンはさらに、がん細胞と生殖細胞にしか発現していないために、がん抗原としてワクチン療法、他の免疫療法との併用も期待される領域である。キメラ抗原受容体T細胞療法のターゲットとしても検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

タンパク発現の評価をするための抗体の準備に手間がかかっている。細胞実験のウェスタンブロットや免疫染色で評価できたものが、ホルマリン包理組織からの評価に適しておらず、各種抗体にて評価中である。
研究責任者の異動にともない、当初予定されていた患者集団での解析が不可能となり、新たな抽出を要した。

今後の研究の推進方策

タンパク発現については抗体の探索などにて実験系を確立する。タンパク発現が臨床的相関が最も高いとは思うが、それ以外のDNAの変異などについても探索する。これらは異動後施設でのゲノムシークエンスの研究との共同も模索している。
DNA損傷をターゲットにした薬剤の代表であるPARP阻害薬の臨床研究と併せて、アーカイブ検体での分子生物学的特徴の解析を検討している。

次年度使用額が生じた理由

研究責任者の異動に伴う研究進捗の遅延により、実験資材等の購入が予定通りに進まなかった。また、情報収集のための学会出席旅費・学会参加費を予算として計上したが、業務調整不可等の理由で未執行となった。

次年度使用額の使用計画

平成26年度未執行残高は、平成27年度に繰り越しの上、実験資材の購入及び旅費等に充当予定。

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公開日: 2016-06-01  

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