本研究では、実世界の企業間取引が織り成すサプライネットワーク構造を、産業全体のレジリエンスや効率性の観点と、個々の企業の生存性の観点の両方から解析し、それらを両立し得る構造的特徴の解明と設計提案への示唆の導出をおこなった。企業間取引関係を捉える大規模実データの収集・整理、およびその複雑ネットワーク解析により、複雑な産業構造に企業それぞれが持つ資源制約やポートフォリオ戦略が反映されていることが明らかになった。本研究ではさらに、国家間取引と企業間取引の共通点と相違点を定量的に明らかにし、また倒産した企業のポートフォリオの特徴も示し、企業戦略への示唆を得た。
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