全国の一級河川を踏査し,日本列島を18の領域に区分した上で,様々な領域から対象地を選び,セグメントM,1,2-2の複数箇所で得られた代表粒径を平均年最大流量時の無次元掃流力と比較した.その結果,類型による地質の差が,粒度分布や土砂の移動頻度の差をもたらしていることを見いだした.セグメントMと2-2とでは代表粒径が全く異なるにも関わらず,大きい粒径成分を含む地点に限れば,その粒度分布形状はかなり類似していた.これは,大粒径の空隙を細粒分で極力埋めた結果の分布であった.一方セグメント1では類型や代表粒径に関わらず粒度分布形状がほぼ同じであったが,標準偏差も小さく,全体的に動きにくい粒径であった.
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