口腔扁平苔癬は、口腔粘膜の角化異常を伴う難治性の慢性炎症性疾患である。原因は不明だが、上皮下へのCD4およびCD8T細胞の浸潤が惹起され、基底細胞に対する細胞傷害と変性を生じることにより病態が形成されると考えられている。これらT細胞の免疫応答は、細胞表面に発現される共刺激分子の発現と産生されるサイトカインによって大きく左右される。 口腔扁平苔癬において、上皮下に浸潤しているCD3陽性T細胞上にPD-1の発現および基底細胞上にPD-L1が発現していることを確認した。よって、口腔扁平苔癬における免疫応答にPD-1-PD-L1の相互作用が関与していることが示唆された。
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