研究課題
本研究では、臨床検体の遺伝子発現情報に対し、臨床病理学的因子/タンパク質相互作用/転写因子結合部位/シグナル伝達系などのパスウェイ情報/既存の治療薬などの情報を統合し、システム創薬の実現に向けたデータベース・アプリケーションを構築することを目的としている。本年度は前年度に引き続き、計算環境の構築と部分最小二乗回帰の評価を行った。プログラムは統計処理言語Rおよび部分最小二乗回帰のライブラリである"pls"パッケージを用いて作成を進めている。また、今回用いるデータは基本的に正値であるため、近年注目されている非負最小二乗法(non-negative least squares)を用いた実装の可能性についても調査・検討を進めている。
2: おおむね順調に進展している
計算環境の構築は終了し、プログラムの実装を進めている。また今後の公開を見据え、クラウド・コンピューティング環境での実行が必要になる可能性があるため、Amazon EC2サービスなどの事前調査を行った。
遺伝子発現情報や臨床病理学的因子、その他の分子生物学的データベースでは負の値が出現することは少ないため、部分最小二乗回帰ではなく、非負値の制約の元で解析・解釈を進めたほうが良い可能性があるため、非負最小二乗法を用いた予備解析も進めたい。またTCGAやICGCなどのデータベースで公開されている遺伝子発現情報や体細胞変異、臨床病理学的因子など情報を用い、他のがん種での有用性の評価を行いたいと考えている。
本年度は計算機のメモリ増強(128GB)を行ったが、2015年度当初と比べて実売価格が半額程度となったため。
研究開始当初は想定していなかった、クラウド・コンピューティング環境の調査に活用したいと考えている。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)
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https://www.juntendo.ac.jp/graduate/kenkyudb/search/researcher.php?MID=5240