国内34空港のビル屋上堆積物とバス乗り場の道路脇粉塵を採取し、有害元素濃度を測定した。その結果、空港ビル屋上堆積物における有害元素濃度と空港発着便数は有意な正の相関を示した。空港以外の屋上堆積物に対しても有意に高く、空港バス乗り場の道路脇粉塵に対しては大型空港ほど差が拡大した。空港ビル屋上堆積物と道路脇粉塵では前者で高濃度で、鉛同位体比の値も異なった。元素レベルや濃度組成は自動車道路脇および鉄道軌道脇の堆積物と異なり、交通モードによる有害元素汚染の形態が異なることが明らかとなった。航空機の運航は環境への有害金属放出源として寄与していることが強く示唆された。
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