| 研究課題/領域番号 |
26870196
|
|---|
| 研究機関 | お茶の水女子大学 |
|---|
研究代表者 |
大木 直子 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 講師 (80612572)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| キーワード | ジェンダー / 選挙 / 地方政治 / 政治参加 / リクルートメント |
|---|
| 研究実績の概要 |
１、（インタビュー調査）神奈川県内の無所属の地方議員および首長へのインタビュー調査（半構造化）を実施した。主な質問項目は以下の通りである。
ご自身の立候補に関して（立候補のきっかけ、支援者との関係など）/ 政党・党派（地域政党を含む）での候補者選定方法・過程についてまたは政党公認（推薦・支持）候補と無所属候補の立候補過程の違いについて / 政党・党派の候補者戦略における「女性」候補者の擁立について / 選挙制度、政党制、選挙に関する法制度について / 女性の政治的過少代表性について / 議会活動、行政職員との関係について
現在、H24-26年度に実施した神奈川内の政党公認の地方議員や東京都の地域政党関係者へのインタビュー調査との比較・検討に向けて、データを分析中である。
２、（選挙データ収集と整理）2015年4月に実施された統一地方選挙の結果を主要紙、民間のデータベース等で収集し、自治体別、政党別、男女別に整理した。特に、道府県議会で自民党、民主党（現・民進党）の女性議員が増加傾向にあること、特に小選挙区（定数が1の選挙区）で自民党や無所属の男性候補者がより多く選出されていることを明らかにすることができた。1999年から2011年までの統一地方選挙における同様のデータと比較・分析し、地方議員向け研修誌、学会報告、学外の講演会等に活用した。
３、（文献収集）政党による候補者の公認に関する文献を収集した。特に、海外のクオータ制、政党リクルートメントと女性の政治参をテーマとする英語文献を収集した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年4月実施の統一地方選挙の結果については予定通りデータを収集し、自治体別、政党別、男女別にデータを整理・分析し、基礎的なデータを構築することができ、その考察を学会報告や選挙後の解説等にて発表することができた。また、都道府県議会議員選挙については、選挙区定数ごとに男女別、政党別データを構築し、学会誌へ投稿（現在査読中）することができた。ただし、神奈川県内の議員や政党関係者（過去の調査協力者も含む）複数名への追跡調査を予定していたが、日程調整が難航したことにより、2015年度は2名のみの実施となった。
|
| 今後の研究の推進方策 |
2015年度の調査結果を踏まえ、2016年度は以下のように本研究を進めていく。
第一に、主に神奈川県内の議員や政党関係者を対象に、2015年4月の統一地方選挙や2016年7月実施予定の参議院議員通常選挙、次回の衆議院議員総選挙小選挙区での候補者選考、公認決定過程、選挙対策等について聞き取り調査を行う。特に、神奈川県は、同参院選で自民党と民進党の候補者がそれぞれ複数名の公認候補が立候補予定であり、政党本部と地方支部との関係が注目されている。また、神奈川県は女性地方議員が比較的多く、国政選挙の立候補予定者にも女性が複数名含まれるため、国政選挙の立候補予定者と現職の地方議員との関係に着目することで、神奈川県内の女性の政治参加を複層的に考察することが期待される。
第二に、1999年から2011年までの道府県議会議員選挙について、選挙区ごとの男女別、政党別データを整理し、女性の進出が最も遅れている同議会において政党別、地域別に女性候補者・女性議員の進出度を比較・検討する。
第三に、近年、政治学ではlocal governmentでの女性の政治参加と政党との関係についての調査、研究が増えていることから、地方議会における女性の政治参加の国際比較研究に向けた理論枠組みの構築を目指し、国内外の文献を収集し、国際学会での研究発表や論文投稿の準備を進める。
|
