本研究は政党による候補者リクルートメント過程の観点から、近年政党化の進行する地方議会において、女性の政治参加に政党組織がどのように関わっているのか、を明らかにするため、文献調査とインタビュー調査を行なった。1999年以降の統一地方選挙の分析から、地方議会における女性の進出度は自治体レベル、政党、選挙区定数で大きく異なることを明らかにした。インタビュー調査から、近年、神奈川県内で国政政党の女性議員が増えていること、その背景には女性候補者支援制度の実施や「女性活躍」政策への期待感の醸成があるものの、クオータ制の導入や候補者選考過程の変更といった抜本的な制度変更は検討されていないことを明らかにした。
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