研究課題
種々のオークションモデルにおける実用化を妨げている問題点を明らかにし，それらの問題点について経済学，情報科学，数理最適化の知識を融合させ，具体的に解決を試みる事によって，実用的なオークションシステムを開発し，新たな市場を創造することが本研究の目的である.今年度は，以下の2点について研究を遂行した．(1)単一財複数ユニットオークションに対するVCGメカニズムの被験者実験による評価: VCGメカニズムは複数種類の財や複数個の財のオークション取引に有用な優れたメカニズムであることが理論的に保証されているメカニズムである．しかしながら，被験者実験などの不確実な状況下では，うまく機能しないことが報告されている．本研究で行ってきた単一財複数ユニットオークションでのVCGメカニズムは実験データの分析によってうまく機能していることがわかっている．うまく機能する要因を探るために昨年度，入力の仕方や結果の提示方法などを工夫し，再実験を行った．その結果，財1個に対する単位評価値を与えて被験者に入力させていたことが要因の1つであることをつきとめた．さらに，本年度では，機械入札を入れ，被験者の行動がどのように変化するかを実験した．これらの分析をまとめ，現在論文に執筆中である．また，昨年度までの成果をまとめた論文が1件国際雑誌論文に採録された．（２）サービス選択市場におけるVCGメカニズムの適用に対する動的計画法による解法：ユーザが複数のサービスを組合せて使用することを想定したサービス選択市場において，VCGメカニズムを使用した逆オークションを考える．一般に割当と支払いを決定することが計算のうえでのボトルネックになっていたため，高速に求解できる動的計画法を構築し，その性能評価を行なった．この成果は，国内の研究会で発表を行なった．
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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