研究課題/領域番号 |
26870208
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
児玉 暁 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任助教 (50638781)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 2型糖尿病 / メタ分析 / 全ゲノム関連解析 / 一塩基多型 / 対立遺伝子 / 量―反応関係 |
研究実績の概要 |
糖尿病予防の重要性が叫ばれて久しい。その最も効率的な方法は、糖尿病高危険群を未然に検出し、生活習慣改善を促すことであると考えれられるが、最適糖尿病発症予測モデルの構築は今もって進行中であり、いまだ完成を見ていない。近年、全ゲノム関連解析の成果により、一塩基多型(SNP)を中心とする2型糖尿病関連遺伝子が数多く発見され、従来の糖尿病危険因子を補完、またはそれとは別の角度から、遺伝子の要素を加味して2型糖尿病を予測する是非が注目されている。 メタ分析を通じ、これまでの疫学論文で報告された2型糖尿病関連一塩基多型(SNP)の対立遺伝子の重積と糖尿病罹患・発症との詳細な量―反応関係のメタ分析結果はすでに完了し、3件の論文が投稿中である。一本目は、糖尿病関連SNP対立遺伝子の累積と糖尿病罹患・発症に並行関係が存在するか、二本目は、糖尿病関連SNP対立遺伝子の単位保有あたりの糖尿病リスク、三本目は、糖尿病遺伝子診断の感度、特異度に関するものであり、解析内容を異にするため、個別論文として投稿している。 一方、遺伝子予測の対照として、問診のみによる糖尿病発症予測能のメタ分析も行っており、遺伝子と問診で2型糖尿病発症予測効果を数量的に比較したものについても解析はほぼ完了し、論文作成中である。上記に関しては、学会の第一または第二演者として発表を行っている。 現在、研究代表者の所属する研究室の糖尿病患者対照介入研究の補助材料を提供する目的で、糖尿病治療効果に、上記のSNPがどのような影響を与えるかについて、これまでの論文を通じたメタ分析が進行中である。また、糖尿病治療効果に影響する社会背景に関連するメタ分析の補助を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
採択論文は存在しないが、解析結果、研究論文作成が完了し、論文およびその内容の公表に一定のめどが立っている。
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今後の研究の推進方策 |
当面は、投稿論文の速やかな採択を目指す。その後、学会をはじめとした論文内容の一般公開により、遺伝子による糖尿病発症予測の新たな知見を順次発信する予定である。最終的な課題は、遺伝的糖尿病発症高危険群に対する糖尿病予防生活習慣介入プログラムによる発症予防効果を大規模、長期間介入研究により検討することであるが、当該研究期間は、そのプロジェクトを成功させるための確固たるエビデンスを提供することにある。
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次年度使用額が生じた理由 |
立替払請求書とともに提出予定のカード決済日が年度内より1-2カ月遅れ、5月7日、および6月2日予定である。それらの金額はそれぞれ、339,709円、160,510円であり、その合計額は465,404円を上回る。差額は次年度科研費より請求予定であった。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の通り、平成26年度科研費は正常に処理されるものと考える。
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