日本海のIODP U1425コアについて,魚歯/骨片化石のネオジム(Nd)同位体比の分析を過去1000万年間について行った。魚歯化石の産出数の少ない層準については,微少量での測定が可能なNdO+によるNd同位体比分析を行い,約60層準において魚歯/骨片化石のNd同位体比データが得られた。また,太平洋亜熱帯域のDSDP296サイトの魚歯/骨片化石のNd同位体比データについても分析を行った。これらの結果から,4.5Ma頃に日本海のNd同位体比が-3.7eNdから-5.5eNdに大きく低下している事を明らかにした。これは,東北日本弧の隆起によって,太平洋域の水塊の流入が減少した事によると解釈される。
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