研究課題/領域番号 |
26870225
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研究機関 | 八戸学院短期大学 |
研究代表者 |
川端 悠 八戸学院短期大学, その他部局等, 講師 (20713390)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 重心制御 / 転倒 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
転倒リスクは加齢とともに増大する。高齢者の転倒は不活動や寝たきりを誘発するきっかけとなりうることはよく知られている。「転倒」は重心位置が支持基底面から逸脱することで発生するが、支持基底面内で重心位置をコントロールし保持することができれば、「転倒」は回避できる。つまり、重心位置移動の正確さを捉える「視標追従テスト」の誤差が少ない人は転倒リスクが低いと推察される。現在、高齢者の転倒リスクを評価するためのアンケート形式の転倒リスク調査が広く利用されていることから、本研究課題では、下肢や視覚に障害のない健常な60歳以上の在宅高齢者100名へ「視標追従テスト」と「転倒リスク調査」を実施し、高齢者の調整力と転倒リスクの関係を検討した。視標追従テストはモニター上に表示される移動視標にCOPをどれだけ正確に追従できたかを定量化(移動視標とCOP間の距離の総和を誤差)することで支持基底面内での調整力(重心移動の正確さ、随意的姿勢制御)を評価するものであり、誤差が少ないほど、調整力は高いと評価される。現在までのところ、1年以内に転倒を経験された方は、左右方向の視標追従テストのスコアが大きい(=誤差が大きい)ため、左右方向の姿勢制御が転倒を経験されていない方よりも劣ると推察される。なお、本課題は現在も継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定期的に測定を実施できており、27年度までに240名の測定が完了する見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
27年度は継続してサンプルサイズを増やし、視標追従テストによる転倒リスクのスクリーニング方法および また、視標追従テストの加齢変化を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
検者への謝金および英文校正費用が発生しなかったため。27年度は使用予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
研究費の多くは測定を実施するための旅費、人件費、会議費、測定関連消耗品の購入費、そして成果発表費に使用される。27年度は240名の測定を計画している。
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