本研究はモニター上に表示される移動視標を被験者のCOP(足圧中心)で追従し、その正確性を評価するものである。ヒトがバランスを崩す際、どちらか一方の足で重心を元に戻そうとする。このため今年度は通常の測定計画に則ったデータに加え、片足での視標追従テストを実施し、下肢の左右差についても検討した。今年度の主な知見は①下肢の動的バランス能力には左右差は認められなかったこと、②両足の測定値と左右それぞれの測定値の相関係数は0.8以上と高いこと、③個人が抱く感覚的な利き足は客観的テスト結果に影響をあたえないことがあった。このことから、片足立位での動的バランス能力は、両足立位でのテスト結果から推察することができ、非利き足と判断される足でも利き足と同等のバランス能力を発揮することが示唆された。 次年度は転倒リスクの新しい評価方法を提案したい。
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